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約1ヶ月お世話になった救急病院からリハビリ科のある病院へものものしくも救急車にのせられて転院してきました。今までベッドから一歩も降りない生活だったのですが、ここではすぐに車椅子があてがわれてごはんは車椅子に乗って食堂に食べに行くようになりました。動くほうの右手と右足でこいで右足で舵をとるんだけど、病院の廊下のような平らで真直ぐなところではすぐに慣れました。ただ、左側を廊下の壁や障害物によくぶつけていました。これは左片麻痺の人によく現れる半側空間無視という症状で左側の視野にあるものに注意が向きにくい、見えてはいるんだけど意識には上らないという普通に暮らしている人にはなかなか理解しづらい症状のせいでした。大体こういった知識はリハビリの先生から仕入れました。転院した次の日からリハビリが始まりました。PT(理学療法士)主に足と歩行。OT(作業療法士)主に手と腕と生活.ST(言語療法士)主に言葉と脳の働きの3人の先生が私に付いてくれることになりました。
リハビリが始まって、自分の病気について色んな知識を仕入れだした頃が一番精神的にきつかったと思います。今まで頭の中に霞がかかってボーっとしているような状態だったのがこの頃日一日と頭の霞が取れてクリアーになってゆくのがわかりました。それと同時に自分の今おかれている状況がよく見えてくるようになってきました。ひょっとしたら自分の体はとりかえしのつかないことになってしまったんじゃないか。この身体はすぐすぐ治るような性質の病気ではなく、もしかしたら一生片麻痺と付き合うことになるかも知れない。もやもや病を抱えているかぎり二度目三度目の脳出血発作が何時起こってもおかしくはない。そう考えると今まで不摂生をして健康に関して無頓着だったことへの後悔と自分と家族の将来への言いようのない不安がいっぺんに襲ってきてまるでスイッチが入ったように涙があふれてきました。何せ一時は何を見ても誰と会っても何を喋ろうとしても気を抜くと悲しみが襲ってきて涙が流れてしまう状態だったので、お見舞いに来られた方はさぞバツの悪い思いをされたことだと思います。
by semenatu
| 2010-07-15 12:18
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