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久しぶりに坊へ来た。
坊は切り立ったリアス式海岸の奥にある天然の良港。 今でこそさびれた感じの漁村だが、中世には中国や琉球、南方諸国との交易港として栄え、遣唐使の寄港地としてもその名を内外に広く知られていたという。 近世の鎖国時代には薩摩藩の密貿易港として栄え、唐物崩れという密貿易一斉取締りによって一気にさびれた。 坊の家々は急な坂にへばりつくように建っている。道路も狭く急だ。父ちゃんのふっとか乗用車を借ってきたので、対向車が来るたびに車をこすりそうになって、うでひけした。 今回は前々から行きたいと思っていた今は無き名刹、一乗院跡へ行ってきました。 一乗院は坊のかつての繁栄と表裏をなしていた巨大なお寺で、坊の港を見下ろす山の中腹に荘厳な伽藍や堂塔がそびえていたという。明治二年の廃仏毀釈で堂塔は倒され、伽藍は毀され、仏像は砕かれ、膨大な宝物は散逸してしまったという。 今は顔を削られてあちこちセメントで補修された仁王像と石垣と伽藍の礎石と歴代上人のお墓だけがわずかに当時の面影を偲ばせている。 旧薩藩領内のお寺跡や首の取れた仏像を見る度に思うが、廃仏毀釈とはどのように行われたのだろう?明治政府が国家神道を確立するするために、それまで混在していた神と仏を分けて、仏教側に辛くあたったということはわかるが、一体どんな人たちがお寺壊しに参加したのだろうか?ここまで徹底的にやったんだから、組織的にやったんだろう。扇動した人もされた人もいただろう。当時の士族は参加したのだろうか?僧侶や仏教に帰依する人たちとの衝突は無かったのか?旧薩藩領には数え切れないほどの寺院があった筈だが、同じ人たちがあちこち回って破壊を続けたのか?よく分からん。 旧薩藩領の廃仏毀釈について詳しく書いてある本を誰かご存知でしたら教えてください。 一乗院跡は今は坊津小学校になっている。子供たちに坊津町の史跡について尋ねると、みんな熱心に説明してくれました。ありがとう。
by semenatu
| 2006-01-25 23:33
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