えらぶで一番高い大山の展望台へ登ってみる。
えらぶ島の全体がみわたせる。
北東方向には徳之島、それにかぶさるように奄美大島の山まで見える。
南西方向には平べったい与論島と沖縄の山原の山が重なって見える。
ほんの近くに見える。本部の方まで見えた。
伊平屋、伊是名の島もくっきり見えた。伊平屋、伊是名ってすごく遠い島だというイメージがあったが、地図で見ると与論と緯度が変わらない。えらぶのご近所さんだ。
無人島の硫黄鳥島も驚くほど近くに見えた。僕は話には聞いていたが肉眼で見たのは初めてだった。
えらぶの国造り神話である島建てしんごの大方のあらましは知ってはいたが、家の中で本を読んだだけではあまりピンと来なかった。
今、ここに立ってえらぶ島と周りの島々とそれをとりまく海を見わたすと、島建てをした島くぶた、国くぶたの業が見えてくる。
ニルヤ島から潮に乗せてえらぶ島を運び、島が流れないように揺れないように石を置き、島に波がかぶらないように石垣を作り、植物を植え、人間をつくり、子を増やし、一回死んでまで穀物の種を手に入れ、島に蒔いた島くぶた、国くぶたの苦労の業が見えてくる。
しばし神話の世界をさまよっていた。
この島は山が迫ってないので空がとても広く見える。